永遠に叶えたい愛がある。
「おお、来てくれてたんだ」
「やっぱり気づかないよね」
試合後、北高女子生徒の解散を待ってから階下に下りるとちょうど選手たちが体育館から出て来ているところだった。
私たちに気づいた勇人が左足首に包帯を巻いた足を少し引きずりながら歩いて来る。
「勇人くん、大丈夫?」
それに気づいた早希が勇人に近寄りしゃがみこんだ。
「大丈夫大丈夫、軽く捻ったくらいだよ」
「早希がずっと心配してたよ」
「あ、紗英ってば」
早希が慌てて私を振り返り小さく首を横に振った。
「ありがとう。次の試合までには治すからまた応援してな」
なんて勇人も鼻の下を伸ばして満更でもなさそう。
大丈夫そうでよかった。
それよりも…
「宗平さんならもうすぐ出てくると思うけど」
再び勇人に目を向けると親指でアリーナを指差していた。
気づかれない程度に見渡してたのに。
「勇人くーーーん!」
「お疲れ様」
「足、大丈夫?」
なんやら騒がしくなったかと思うと外で出待ちしていた女子生徒たちが中々出てこない選手にしびれを切らしたようで入り口から入ってきた。
数人の女子生徒が勇人を取り囲む。
中学の時と同様、勇人もおモテになるようだ。
あの頃とは違って見物だけではないらしい。
蚊帳の外にになってしまった早希がポツンとしてしまった。
こういうとき取り巻き?というのは強い。
誰がいようと何をしていようとお構いなしに自分をぶつけてくる。
早希と目が合い、手招きをすると近くへと来た。
「困っちゃうね、人気者は」
「お互いにね」