永遠に叶えたい愛がある。
他に思い浮かばないんだもん。
宗平と話してると思考回路が停止してしまうようで、全く機能しなくなる。
それよりも他の感情が優ってしまうんだ。
「次の試合はいつなの?」
話題を変えてとにかく気持ちを落ち着かせよう。
「再来週の日曜日」
「ちょっと開くんだね」
「ああ」
早希も予定空いてたらまた応援来ようかな。
きっと早希も来たいだろうし。
そう言えばあの二人は今頃どうしてるんだろう。
ふわっと暖かい風が吹いた。
心地よくて優しい空気が流れる。
横に宗平が並んで立ったことを感じた。
「悪いな、学祭のこと任せっぱなしで。明日からまた暫くは俺もできるから」
横を向いて宗平を見上げると、改めて宗平が大きいことを実感する。
私よりも頭一個分は大きい。
「聞いてるか?」
「…え?あ、聞いてる聞いてる」
ついついボーッとしてしまった。
なんでこう宗平を目の前にしてしまうと普通にできないんだろうか。
恋ってこういうものなのかなあ。
「ぎゃっ」
ふいに宗平の手が伸びたかと思うと、私の頭に乗った。
「色気のねえ声だな」
そんな、急に色気のある声なんか出せるか。
「ひとりで頑張ってるおまえにご褒美だ」
そう言うと、宗平の手は私の頭を勢いよく撫でた。
「いやーーー髪の毛がーー!」
わしゃわしゃと音が聞こえてくる。
優しさなんて微塵もない。
何がご褒美だ。
「あは、ウケる」
でも宗平が笑ってるならまあ、いっか。