星が降るようで
「ダメダメ、お子様の理沙ちゃんには彼氏なんてまだ早い」
 
 後ろから髪をぐしゃぐしゃと撫でられる。振り向くと、幼なじみの優太が立っていた。

「ちょっとやめてよー! ボサボサになっちゃったじゃん」

「どうせ今日もギリギリに起きてセットなんかしてないんだろ? あっほら、寝癖」

「ついてません! もうあっち行っててよ! しっしっ」

 ちぇっと唇を尖らせて自分の席まで帰っていく。やり取りを終えてみんなに向き直ると、何やら顔を寄せてヒソヒソやっている。

「ねえ、柳田ってさー、絶対理沙のこと好きだよね」

「それ思った! 何かと絡んで来るしさぁ。小学校からの付き合いなんでしょ? 幼なじみラブってやつ?」

「そんな訳ないじゃん、あいつ誰にでもあんなノリだし、ただの腐れ縁だよ」

 ええー、と不満げな声がチャイムに重なる。渋々と離れていくみんなに、とりあえず話題がそれてよかったと大きく息をついた。
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