混 迷

···羚


俺は、アメリカの大学で
一年必死で勉強をした。

そこで見つけた仲間と
会社を起業した。

親父には二度と頼らない。
あの日に誓った。

親父に呼ばれて殴られた後
親父の弁護士は、俺に経緯を話そうと
していたが、親父が
「その必要ない。
育てた恩も忘れて、こんな面倒事を
お前には、がっかりした。
ほとぼりが覚めるまで
帰ってくる必要ない。」
「ですが、社長。
羚さんには、お話ししておいた・・」
と、言っている弁護士には、
悪かったが、俺は社長室をでた。
「羚さんっ、羚さん」
バタン、とドアがしまると
俺は、急いで家に帰った。

咲空のことは、知りたかったが
頭ごなしに、意味も分からないことを
言われて、殴られて。
俺の中で、何かが
きれてしまった。

学費の支払いは、勝手にされていたが
後々、全て返した。

大学の仲間は、色んな国籍の
やつらで、色んな発想を持っていた。
建物の設計➡️サム
デザイン➡️ベンとキース

経営(顧問弁護士)俺とアル

俺たちが、デザインして設計したものが
賞をとってからは
瞬く間に広がり
色んな国からもオファが来ていた。

俺達は、楽しくて仕事に
のめり込んでいった。

気がついた時には
会社は安定し、生活も安定していた。

だが俺達は、
大きな会社にするつもりはなくて
信頼と誠実を主にやっていきたい
これが、五人の変わらぬ考えだった。

そんな・・俺達も
大学を卒業して五年が経っていた。

満足行くものができた時
綺麗な風景を見つけた時
うれしい事、心温まる事に出会うと
咲空を想いだす。

咲空が今どうしているのかさえ
分からないが、俺の中では
咲空は、いつでも微笑んでくれていた。

そんなとき
弟の葵が、俺を訪ねてきた。

葵と雛とは、日本を離れてからも
連絡をとっていた。
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