混 迷
※※葵・・

大学を卒業間近に
父親から
「吾妻建設に入り
次期に社長として切り盛り
してくれ。」
と、言われた。
「兄さんは?
兄さんが継ぐのが
本当じゃないの?」
「チッ、お前は黙って
俺の言う通りに
やればいいんだ。」
「いつも、そうなんだね?
人の話は、きかないで
自分の意見ばかり。」
「黙れ!
お前は、何百、何千と言う
社員を路頭に迷わすのか?」
「・・・・わかったよ。」


俺は、大学をでて
吾妻で、営業部に入り
営業として会社回りをして
営業部長をつとめ
専務を経験して
父親である社長について
勉強しはがら副社長となり
更に精進していたとき
父親が倒れた。

父親は、昔からの不摂生で
身体はボロボロだった。
心臓は、弱まり
肺には、大きな影があり
肝臓、すい臓も数値が悪すぎる。

顧問弁護士から
「社長は、永くありません。
葵さんに吾妻の全てを託すと
言われております。」
「そうですか?
父は、兄の事はなにか?」
「いえ、特には。」
「母でしょう?どうせ。」
「あっ、いえ。」
「いいんです。
わかっています。
兄は、とても私達に
優しかったのに
母が嫌っていて。
いつも、兄に冷たくて
子供の頃はわからなかったが
今は、ハッキリとわかります。
自分の母親として情けないです。」
「・・・葵様・・。」
弁護士は、葵なら話しても
差し支えないと考えた。
< 35 / 88 >

この作品をシェア

pagetop