混 迷

顧問弁護士の話は
衝撃だったが
やはり、雛が絡んでいたんだと
思った。
雛は、兄さんに執着が
昔から酷かった。

それに母のやり方も
目に余る。

俺は、父の容体について
兄に会って話したくて渡米した。

雛は、大学を出て
アメリカに行き
兄にまとわりついていたみたいだが
兄に叱られて
日本で母が良く行く
ジュエリーショップで
今は、働いている。


兄さんは、アメリカで
友人達と起業して
活躍していた。

大きな会社なのに
規模は拡大せずに
地道な会社経営をにしている。

やはり、すごい人だ。
「葵、久しぶりだな?
元気にしてる?」
「ああ。
兄さん、頑張ってるね
すごいよ。」
「みんなの、仲間のおかげだよ。
で、何かあったのか?」
「ああ、うん。
親父が倒れた。
もう永くないみたいだ。」
「そうか。」
「兄さん、・・・」
と、話そうとしたら
兄の会社から電話が入り
兄は、会社に戻ることになり
俺も会社から呼ばれて
帰国しないと
行けなくなり
兄に、あの事を話す暇は・・・
なかった。
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