混 迷

「ねえ、リョウ
あのクレイジーな女の人が言ってた
リョウがおこした問題って?」
「・・・・・」
「まあっ、いいや。
話したくないなら、聞かないよ。
ただ、あんな人・・いるんだね。
わが子にしか、興味のない人って。」
と、言うが
羚は、何も答えなかった。

ただ、アルはこのままでは
終わらせる気はなかった。

羚は、仕事も出きる
仲間にも優しく親身だ。

だが、他人と・・なると
とたんに冷たい
特に女に関しては
欲の捌け口にしか
とらえてない。

今は、社長の肩書きで
なんとか、公には
動いていないが
一度抱いた女には、二度と会わないし
女に金を使うなんてあり得ない。
と、言う人だ。

それに大学の四年から一緒にいるが
彼女がいたこともない。

必ず、羚の過去になにかあると
思っていた。

アルは、羚が
時々、はっとするほど
優しい眼差しをする所を
なんどか見た事がある。

あれは・・・いったい
と、思わずにはいられない。
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