混 迷
翌日、会社に行くと
羚だけ帰国したようだった。
華は、先輩方に一緒にお詫びをしてくれて
当面は、先輩方 対 私と華で組ませて
欲しい事をお願いしてくれた。
先輩も私の事を心配してくれていたから
即決だった。
咲空がやり易いなら、と。
本当に優しい人達に
囲まれて私は幸せだった。
それから、一週間
何事もなく過ぎていき
私は、羚を見ない生活に
どこか力が抜けていた。
そこへ
アルさんと設計のサムさんが来日した。
アルさんが
「この子に案内してもらう。」
と、言うので
華が私をみたから
大丈夫だよって、
アイコンタクトした。
二人を連れてエレベーターへ案内する。
エレベーターの中で
アルさんはいきなり日本語で
「君と羚の間に何があったの?」
「⋅⋅⋅⋅⋅なにも⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅ございません。」
「うそだね。君は羚に過剰に
反応するし
羚は、女に構わないくせに
君には、なぜか絡む。」
「日本人なのに
海外で活躍されていて
凄い方だなぁと、考えているだけです。」
「そう、まあ、いいや。
今日は、それで。またね。」
と、言って
降りて行った。
私は、エレベーターから
降りて社長室に向かう二人を
見送りながら・・・
羚、忘れたいのに
辛い思いしかないのに
などと・・考えていた。