混 迷

···知らないと行けない


「よくも!!よくも!
そんなひどい事ができるわね!!!
貴方がたの妹は!

咲空があの事故から
どんな生活をしていたか
知ってる?
どんなに苦しんだか
知ってる?
何が、兄をとられた嫉妬よ!!
何が、白い目で見られた恐怖よ!!

貴方達は、勝手に咲空を巻き込んで
大きな怪我をさせたまま
さっさと、海外に逃げて
お気楽なものよね!!」
と、泣きながら叫んだとき
ふわっと、大好きな腕が自分を
包んだ。
「‥‥えい‥‥と‥?‥」
「そうだ、大丈夫か?」
「‥‥うん、私は大丈夫だよ。
咲空に比べたら、何てことないよ。」
「すまん。
知っていたんだ。
こちらの吾妻さんと
弁護士のアルさんに頼まれたんだ。」
「‥‥そうなの·····?····」
「咲空にも羚さんにも
本当の事を知る権利があると。
思ったんだ。
だがな、羚さん。
あんたやあんたらの妹が
仕出かしたことを許した訳じゃない。

あんたは、知らないといけない
あんたのしたことを!
あんたの妹のしでかしたことの痕跡を!
だから、協力したんだ。

もちろん。
咲空のお母さんである佳子さんにも
了承は得ている。」
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