混 迷

···意識を保つ


咲空は、何か声がしたように感じ
辺りを見回すと

すると・・・・
「‥‥‥えっ‥‥
     ‥‥‥なぜっ‥‥‥‥」
咲空は、全神経に意識を保つのに専念した。

すると
「咲空っ、咲空、大丈夫だよ。」
と、華が叫んだ。
「「兄さん!羚!!」」
と、葵とアル。

詠斗は走って、羚に追い付き
羚を掴み引っ張ると
翔の顔をが見えて······

「‥‥‥‥‥おまっ‥‥え‥‥」
「‥‥さ‥‥らっ‥さらっ‥さらっ‥‥」
羚は、ぼろぼろと涙をこぼしながら
咲空の名前を何度もよんでいた。

詠斗は思わず手が緩み
羚は⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅再び⋅⋅⋅⋅⋅歩き⋅⋅⋅始め·····

咲空は、羚の姿に気が遠く
なりそうだけど
足を踏ん張っていると

羚の顔が見えてきて
ぼろぼろと泣いている羚に····驚き·····
「‥‥‥‥‥‥りょう‥?‥」と。

羚は腕を伸ばし、
そっと咲空を抱き締めた。
そして
「‥‥ごめん‥‥ごめんね‥‥ごめん‥」
と、何度も何度も
咲空に謝った。

咲空は、びっくりしていたが
あまりにも泣きながら
謝る羚。

咲空は、付き合っているときに
羚の泣顔なんか
一度も見たことなかったから
どうしたら良いのかわからなかった。

だが、咲空の腕は
羚を抱き締めていた。

羚は、ビクッとしたが
咲空をギュッ抱き締めて
泣きながら
「ごめんね、俺が近くにいると
つらいだろ?ごめんね」
と、言うと
咲空は、ふるえながら
首を左右にふった。
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