混 迷
雛は、
「咲空さんにあって謝りたい」
と弁護士を通して言ってきたが
俺は、合わせることはしなかった。
雛の顔も記憶にあるはずだから
咲空にこれ以上傷ついてほしくなかった。
それに雛は、俺にも兄妹に戻りたい
と、言ってきたが‥‥‥
信じていた本当に。
それに凄く可愛がっていた妹に・・
そんな相手に裏切られたなんて
俺の中で・・簡単に許せることでは
なかった。
俺は、咲空のお母さんである
佳子さんに会い、
全てを聞いてもらい
電話でだけ咲空と話す事を
ゆるしてもらった。
話すだけでも
倒れたりすると行けないから
佳子さんがいるときに
かけたり
華がいるときに
かけたりしていた。
初めは、一言・・二言で・・・・
気分が悪くなったら
倒れそうになったりしていた咲空。
俺は、自分自身にイラついた。
なんで、きちんと雛の話をしなかった?
なんで、出掛ける話をしなかった?
と、何度も、何度も後悔した。
だが、いまは、咲空の不安を
取り除く事が大事だった。
「もしもし、咲空?」
「‥‥‥う‥‥ん‥‥うっ・・」
「大丈夫か?声、聞けたから切るな」
倒れそうになったり・・・
無言になったり・・・
羚君、ごめんなさい。切るわね
と、佳子さんに言われたり
吐き気をもようしたり・・・
しばらくは、そんなことが続いた。
だが、咲空は大丈夫だと
言ってくれたが
自分がそばにいないのに
倒れたら、心配になるし
佳子さんにも迷惑かける。
無理しなくていいからと
初めは、数秒で電話をきり
1分、2分とした。
だが、また、はじめから
やり直さないと
いけなくなったり
一進一退の日々が続き
ゆっくり進めようと
何度も話した。
俺が諦めたら
咲空は、きつい、辛い思いを
しなくてすむはずだが
諦めたくなくて
咲空に詫びながら
続けさせてもらった。