混 迷

アル・・・

話をした翌日には
羚とアメリカに戻った。

羚は、かなり自分を責めていたが
咲空さんの母上と話してから
電話で咲空さんと話しているようだ。

ほんの1・2秒で切ることが
ざらだったが
羚は、めげずに続けていた。

電話の向こうで
ガチャン⋅⋅⋅⋅⋅⋅と、
咲空さんが倒れそうになった音を聞いて
ヒヤリとしたり⋅⋅⋅⋅⋅⋅
悔しそうに顔を歪めたり⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅
していたが⋅⋅⋅⋅⋅⋅

あれから半年
今では、少し長く話をしている。

そんな羚の表情も少しずつ
穏やかになっていた。

本人は、気づいていないかも
知れないが・・・・

ああ、また話してる
「咲空っ、今日はどうだった?
そう、ふ~ん、そうなんだ。
俺?俺は仕事を真面目にやってるよ
本当だって・・・」
たまには、笑いながら
たまには、怒りながら
楽しそうにしている。

こんな生活も
1年半が過ぎていた。


そんなとき羚から
「なあ、アル
咲空は、俺にに会っても大丈夫だろうか?
咲空にあって
咲空が俺に普通に接する事が
出来たら俺は咲空に二度と会わない。
俺達の子供のことも忘れて
幸せになって欲しい。

だけど、それは咲空には
無理だろうから
咲空の新たな幸せの中に
ほんの隅っこにいれて
くれたら良いと思っている。

あの子の事は、俺が責任を
もって守っていく。
中々、日本にはいけないがな」
と、言ったから

俺は
「羚?咲空さんの幸せの相手は
自分じゃないの?
羚が幸せにするんじゃないの?」
と、言うと
「・・・・・・・
咲空は・・俺では幸せには・・・
    ‥‥‥なれ····ない‥‥

咲空にあれだけの辛さを味会わせて
その全てを忘れ去ることが
できるなんて、到底思えない。」
「だが?羚は・・」
と、いいかけると
羚は、首を降り
「俺は、いいんだ。」
と、切なげに言った。
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