芸能人の彼と普通の女子高生。

相合傘







「止んでない...」





「というより、強くなってる気がするけどね」





当番を終えて図書室の鍵もきちん閉めて靴箱のところまで大川君と一緒来たけど。





久しぶりに見る土砂降りだ。





「松田さん、こっち来て」






大川君は既に自分の傘を差し、当たり前の様にそこに私も入るように手招きをする。






「.....なんか、ごめんね」





止む気配も全くないため、仕方なく大川君の好意に甘えて私もそっと中に入れてもらう。





「なんで謝るの?ていうか全然入ってないから。もっと、こっち」





「わっ」





大川君は傘を持つ手とは反対の方の手で私の肩を抱き自分の方へと引き寄せる。





遠慮気味に入れてもらっていたのにこれじゃあお互いの腕がぴったりとくっついてる。





大川君、こういうの気にしないのかな...。





「松田さんが濡れてたら嫌だから。とりあえずいつも通り駅まで一緒に行くよ。それなら俺も濡れずに済むし」





有無を言わせず大川君は歩き出した。





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