芸能人の彼と普通の女子高生。






これも約束したわけじゃないんだけど、いつの間にか図書当番の日はいつも一緒に帰ることが普通になっていた。





大川君は電車通学。




私も家に帰るとき駅の近くを通るから結局方角は一緒。





だからかな?






「ごめんね、私歩くの遅くない?傘も持ってくれてるし。大丈夫?わたし持つよ?」





特に人に言われるわけじゃないんだけど、外を歩いてるとよく抜かされていく気がする。



だからもしかしたら私は歩くのが遅いのかも知れない。






「大丈夫。それに俺と松田さん身長差あるから松田さんが傘持ったら俺入れないよ。いいじゃん。ゆっくり帰ろ」





そう言って大川君も同じペースで歩いてくれる。





きっと大川君は男の子だし足も長いから普段はもっと早いはず。





でも私は先に行かれたことなんてない。





いつもいつも私に合わせてくれる。





こんなに女の子に気が使える高校生ってなかなかいないよね?





< 127 / 218 >

この作品をシェア

pagetop