芸能人の彼と普通の女子高生。
「松田さん、こいうの鈍感だもんね。ストレートに言わなきゃ通じないよな」
「鈍感?ストレート?....どうしたの大川君?」
話の方向が見えない。
少し動揺している私をよそに大川君はいたって冷静だった。
大川君は急に立ち止まった。
傘に入れてもらっている私もつられて足を止める。
まだ雨はザーッと強く降り続いていた。
どうしたんだろ?も思って背の高い大川君を見上げる。
大川君は私を真剣な目で見つめてくる。
捉えられたかのように、私も目線をそらせない。
少し静寂の時間が流れ、
そして、
「俺、松田さんのこと好き」
「......」
またしても、表情を変えずサラッと言うものだから何を言われたのか分からなかった。