芸能人の彼と普通の女子高生。
突然の訪問
痕
「......ただいま」
玄関のドアを開けて、誰に言うわけでもなく習慣のように小さく呟いた。
自分でも自分の気持ちがわかないような、持て余しているような感覚だった。
駅から一人でとぼとぼ歩き、気付いたらうちに着いていた。
もう、ご飯食べてお風呂入ってすぐに寝たいかも。
今はもう何も考えたくないと思っていた。
でも、
「.....あれ?」
下を向いたまま家に入ると、
うちの玄関には似合わない、というかうちの家族では絶対に履かないようなお洒落で高そうな革靴があった。
「....誰のだろ?」
お客様?