芸能人の彼と普通の女子高生。
「愛衣」
「はい....」
涙はまだ乾かない。
まだ怖い気持ちは残ってる。
それでも、さっき首にキスをされた時の距離と奏大さんの熱い吐息を思い出しては身体が熱くなる。
本当に怖かった。
拒みたくても身体が固まったみたいに、思うように全然動いてくれなくて。
でも、本当に本気で拒もうとはしてなかったかもしれない。
あんなに迫られて、触れられて、それでも嫌悪感はなかった。
ただ、どうなっちゃうんだろうっていう怖さと恥ずかしさ。
そして、冷たい目を向けられたことへの悲しさと、分かってもらえない悔しさ、切なさ。
自分がこんな感情になるなんて知らなかった。