芸能人の彼と普通の女子高生。






「おい、うちに入るんならその怪しげな帽子とか外せ。手洗いうがいはきちんとしろ」






「.......はい」






その人はお父さんに言われる通り、というか圧倒されながら帽子を外そうとする。






「あの、無理しないで下さい、父はああ言ってますけど.....」





お店に来て食べてた時もマスク以外は外さなかったし、何かコンプレックスがあったりして隠してたんなら、無理に外させるのは申し訳ないし。






心配してその人の側に駆け寄ると、






「大丈夫だから」






小さい声でそう言ってサングラスを外した。






「え......」






その瞬間、初めて見た瞳に思わず目を奪われた。






うわぁ。






綺麗.....。






なんて綺麗な顔立ちなんだろう。





その切れ長で澄んだ瞳はこの人の存在感をさらに際立たせていた。





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