芸能人の彼と普通の女子高生。
「奏大さんさえよければ、本当にいつでも来てくださいね。お店だって、今みたいにうちの夕飯食べに来るのだって。うちの家族はもう、奏大さんなら大歓迎です」
「.....」
「静かには....食べられないかもしれないけど、それでも奏大さんの気が向いたらいつでも来てください。一緒に暖かいご飯食べましょ.......?」
「.......」
奏大さんの表情をみてこう言わずにはいられなかった。
おかしいな。
素顔だって、名前だって、今日初めて知った人なのに。
奏大さんだって、私の名前を知ったのは今日。
店にだって2回しか来てない。
決して打ち解けたというにはまだ時間が少なすぎる。
うちに来て、なんてこんなこと言うなんて。
お父さんもだけど、私だっておかしくなっていた。
でも、言わずにはいられなかったの。
私の気のせいかもしれないけど寂しそうな、そんな表情はしてもう欲しくなかったから。