芸能人の彼と普通の女子高生。






「奏大さんさえよければ、本当にいつでも来てくださいね。お店だって、今みたいにうちの夕飯食べに来るのだって。うちの家族はもう、奏大さんなら大歓迎です」






「.....」







「静かには....食べられないかもしれないけど、それでも奏大さんの気が向いたらいつでも来てください。一緒に暖かいご飯食べましょ.......?」






「.......」






奏大さんの表情をみてこう言わずにはいられなかった。





おかしいな。





素顔だって、名前だって、今日初めて知った人なのに。





奏大さんだって、私の名前を知ったのは今日。





店にだって2回しか来てない。





決して打ち解けたというにはまだ時間が少なすぎる。





うちに来て、なんてこんなこと言うなんて。






お父さんもだけど、私だっておかしくなっていた。





でも、言わずにはいられなかったの。







私の気のせいかもしれないけど寂しそうな、そんな表情はしてもう欲しくなかったから。






< 37 / 218 >

この作品をシェア

pagetop