芸能人の彼と普通の女子高生。
片付けも無事終わり玄関まで奏大さんを見送る。
「今日はほんとにありがとう。ごちそうさまでした。お父さんとお母さんにもよろしく伝えておいて」
もうすっかり遅い時間になっていた。
帰りは近くに停めてある自分の車で帰るらしい。
玄関に立つ奏大さんはここに来た時と同様に、帽子にサングラス、そしてマスクという一見怪しい格好にまた戻っていた。
その格好については私は何も聞かなかったし、奏大さんも何も言わなかった。
「はい。こちらこそありがとうございました。とっても楽しかったです」
本当に楽しかった。
今日がこんな日になるなんて想像もつかなかった。