芸能人の彼と普通の女子高生。
「それじゃ。連絡する」
「待ってますね」
私がそう言うと奏大さんはやっぱり優しい顔をしてくれた。
その奏大さんの笑顔は相変わらず魅力的で思わずジッと見ていると、
奏大さんは私のことを見て小さくフッと笑い、
ポンっと、
私の頭に軽く右手を置いた。
「っ......」
えっ、と.......?
その急な出来事に私の思考はついていけず、固まってしまう。
ま、待って。
顔が忽ちに熱を帯びていく。
だ、だめだよ、こういうの。
私、男の人に免疫全然ないし。
こうやって触れられるのだって慣れてないのに!
自分でもどうしようもなく、静まりかけていた胸がまたもや高鳴り始める。
奏大さんはそんな私を見てまた小さく笑い、頭を優しくスッと撫でてから離した。
奏大さんも、どうしちゃったの??
最初は喋ってもくれなかったのに。
全然分からない。
わずか数秒の出来事だったけど、時間が止まったような気がした。