芸能人の彼と普通の女子高生。
「え?うーん、そうだなぁ。まぁ、人によってそれぞれあるだろうけど。....でも、普通はその人のことずっと考えたり目で追ったりしちゃうんじゃない?」
「......」
「会えたり話せたりしたら嬉しいし、その人のこともっと知りたくなったり、近づきたくなっちゃったりするんじゃない?」
「そっか....」
なんだか、好きな人が出来ると忙しそうだな.....。
「でもなんで?気になる人いるの?」
「ううん。ただ、どんなかなって。私もいつかそういう風になるのかなって思ったの」
素敵だなって思う人がいたとしても、それが好きという感情になったことはなかった。
だから、あんまりその感覚が分からなかった。
でも、彩香の言葉に今少し当てはまるところもあって少しドキッとした。
奏大さんのことだ。
最近は気付いたら奏大さんのことを考えていて、その度にぼーっとしてしまうことが多い。
初めて奏大さんの素顔を見た時の情景が、まるで写真のように私の脳裏にしっかりと焼きついて離れてくれない。
誰だってあんな綺麗な顔立ちの人が急に現れたら忘れられないとは思うけど。
そういうのだけじゃなくて。
あの時、最後に触れられた時の熱が忘れられない。
あの時のことを何度も何度も思い出してしまう。
次に会えるのはいつかなって。
そして、次に会った時、私は奏大さんに対してどんな風になるのか確かめてみたかった。