芸能人の彼と普通の女子高生。





奏大さんとは、うちで食事をしていったあの日の夜の以来、結局一週間ほど会えてはいなかった。





それでも「連絡する」と言ってくれた通りまだメールだけだけど奏大さんの方から何度か連絡をくれていた。






短い文で内容が特にあるわけではなかった。





ただ、ある日の夜には寝る前にたった一言だけだったけど「おやすみ」ってメールをくれた。






それが嬉しくて嬉しくて。






少しでも私のことを思いながら送ってくれたんだなって思うと胸の奥がキューっとなった。





また別の日には「愛衣の誕生日まであと一週間だな」って送ってくれた。





ちゃんと覚えてくれてるんだって感じて、あと一週間なのに凄く待ち遠しくなった。





私からも送ろうと思ったけど、お仕事の邪魔にならないかな、とか内容だってつまらないと思われるかもしれない、と思って結局送れていなかった。




そういえば奏大さんが何のお仕事をしているかは知らないままだ。





どんなお仕事してるのかな?






でも、面と向かって「お仕事はなんですか?」って言うのはなんとなく気がひける。






それ聞いてどうすんだよって思われるのも嫌だし。





言いづらい仕事だとしたらそれはそれで問題だけど、どう言えば失礼がないのか分からない。




< 60 / 218 >

この作品をシェア

pagetop