芸能人の彼と普通の女子高生。
『それで、愛衣の誕生日のことなんだけど』
「はい」
それ!
まさに私が気になっていたこと!
『誕生日の夜、日付が変わる前の1時間。1時間だけでいいから愛衣の時間を俺にくれないか』
「あの....?」
それって、どういう?
『仕事があって遅い時間にはなるけど、愛衣の家まで会いに行くから。だから、待っててくれないか』
「私は大丈夫ですけど...。あの、もし忙しいようでしたら、他の日とか、奏大さんの都合のいい時でも大丈夫なので....。本当にそのお気持ちだけでも嬉しいですから」
忙しいのなら休んでほしい。
無理しないでほしい。
『それじゃだめだ。俺が嫌なんだよ。その日に直接会って祝いたい。....迷惑か?』
「......わ、分かりました。迷惑だなんてそんなことないです。ありがとうございます!」
こうなったらきっと奏大さんは曲がらない気がした。
本当は奏大さんの身体のことが気になったけど、今回は素直に従うことにする。