空を拾う
Sur: Regreso al Amor
午前0時。悟はようやくマンションの駐車場まで帰り着いた。
車をロックし、安堵のため息を漏らす。
今日一日、どんなに仕事に没頭していても、ふとした瞬間にソラの面影が脳裏を過った。
もう居るはずはないと思うのに、まだ居て欲しいとも思う。
自室のドアの前に立ち、逸る気持ちを抑え、悟は呼吸を整えた。
玄関から部屋へと続く廊下の明かりは消えていた。しかし、間接照明の仄かな灯りがリビングのドアを照らしている。
あの灯りは、ソラなのか。