君の笑顔がずっと好き
最期の春
〖杉本 結翔 様〗
この文字を、初めてここに来た時みたいに、よく見てみた。
やっぱりこれは現実だけど、それでもいいから……
それでもいいから、もう少しだけ、君といたい。
ノックをすると、前より弱々しい声で返事が返ってきた。
久しぶりに聞く結翔の声に、私はまた泣きたくなる。
「……ゆいくん」
あの夢と同じように、
小さい頃と同じように、私は呼んでみた。
「え……花瑠?」
また、びっくりしてる。
今日はね、用があってきたんだよ。
聞いてくれるかな…?
「ゆいくん……私の話、聞いてくれる?」