私と王子様のプロローグ
「いえ、年上の方をいきなり呼び捨てはさすがに」
「恋人同士になるんだからいいのに。まあ梓が呼びやすい方でいいけど」
私は顔合わせ初日から何をやってるんだ。
でも先生の独特の空気にのみこまれて、あれよあれよという間に話が進んでしまった。
「今日からよろしくね。梓」
「……よろしくお願いします。千尋さん」
恋愛って、こんなに急に始まるものなの?色々大切なことをすっとばしている気がする。
ああ、これからどうなるんだろう。
これが夢だったらいいのにと思ったところで、どうしようもなかった。