私と王子様のプロローグ


この質問に答えることで先生の脚本執筆に少しでも役立つのであれば。


答えられる限りは答えないと。


「そっか、梓は和食派なんだね。じゃあ家で料理作ったりする?」


「しますよ。たまにですけど。卵焼きを焦げめをつけないように焼くのが得意です」


いかにふっくら均等な厚さで仕上げるかも毎回こだわっている。


「すごい特技だ。今度食べさせてよ」


「味つけの好みを教えていただければ作ります」


「他に、好きな場所は?」


「夕焼けとビル群の景色は好きです。電車の窓から見ちゃいます」


「自然と人工の融合は美しいよね。分かる」


それから好きな音楽のジャンルや動物まで、色々と答え続けた。


「今度は私から質問しますね」


「え?」


「あ、お互いのことを知ったほうが脚本のコンセプト的にも書きやすくなるかなと思ったんですが」


出すぎた真似をしてしまった、急いで謝る。


「ああごめん。びっくりしただけなんだ」


「よかった、余計なことを言ってしまったのかと」


「逆だよ。まさか梓から聞いてくれるとは思ってなかったから」


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