私と王子様のプロローグ
やっぱり住んでる世界が違うと思わずにはいられない。
よくテレビ番組で紹介される高級マンションのそれが、目の前にあるとは。
数秒その場から動けずにいたけど、まずは体を洗わないと。
シャンプーやボディーソープもきっと高級なものなんだろう。
「わー、気持ちいい」
眼下に広がる夜景を眺めながら広いお風呂に入るって、最高。
一流のホテルに泊まってるみたいだ。
そしてお風呂から上がりさっきのシャツとスウェットを着なおす。
蓮見先生と同じものを使ってる。その事実に胸の奥からじんわり熱くなった。
これじゃまるで、本当につき合ってるみたいじゃないか。
「蓮見先生、お先にいただきました」
「ちゃんとあったまってきた?」
「幸せでした」
「はは、ならよかった」
じゃあ俺も入ってくる、と入れ替わりで蓮見先生がリビングを出る。
ローテーブルのうえにはいくつかの資料が置かれていた。