私と王子様のプロローグ
「梓は案外子供体温だね」
「わっ」
ふわりと抱きしめられて、蓮見先生の腕の中へ。
「……蓮見先生は低体温ですか?ちゃんと肩まで浸かりました?」
今お風呂からあがったばかりだと言うのに、蓮見先生の身体は温かくない。
「もともと体温低いんだよ。いつもこんな感じ」
「夏場でも体は冷えますから、気をつけてくださいね」
「今日は梓があっためてくれるんでしょ」
「これだけ広いお部屋ですしゲストルームありますよね?でしたらそちらを使わせていただきます」
「遠慮しないで」
「遠慮じゃないんですけど?!」
「梓の体温あったかくて、よく眠れそう」
「……ずるい」
「なんとでも」
次の瞬間、流れるような動作で私を所謂……お姫様抱っこしたのだ。
「は、すみ先生!」