私と王子様のプロローグ


「ああ、ウエディング企業の!私第一弾見たわよ」


「俺も蓮見先生が脚本を書いたって知って見ました。短い時間の中でもあれだけ話が展開してるのってさすがっすよね」


麻衣も酒井も嬉々とした様子で作品の感想を言ってくれる。


「蓮見先生の脚本がすごいのは当然だけど、その意図を映像にできる制作陣もすごくない?」


「相当気合い入ってますよねーあれ」


「今日そのCM制作に関わった広告代理店の人が来るから、感想伝えておくね」


午後に神崎さんがうちに来ることになっている。


「まじっすか!第二弾の公開も楽しみにしてますって伝えてください」


「うん、言っておく」


神崎さんに会うのはあのパーティー以来だ。


どんな顔をして会えばいいのか微妙なところだけど、普通にしていればいいよね。


お昼休みが終わったあと、電話越しの蓮見先生の心地いい声を思い出しながら仕事を進める。


ちらりと時計を確認すれば、あと20分ほどで神崎さんが来社する時間になっていた。



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