私と王子様のプロローグ


「素っ気ない、ですか」


「ふたりきりなんだし、もう少し壁を崩してくれてもいいのでは?今からする話も、明るい話題ですし」


確かに、今日話すのは公開された第一弾のウェブCMについてや今後のことだ。


ひとりで意識しすぎていたかもしれない。


「第一弾の作品、反響がすごくて。クライアントも蓮見先生に頼んで良かったって、喜んでました。こちらを蓮見先生にお渡しするようにと」


「わ、これって人気の洋菓子店ですよね!」


「あとこちらの袋は水野さんたちに、とのことです」


「みんな喜びます、ありがたくいただきます」


蓮見先生へのお土産の袋には手書きの手紙も入っていた。


それを読む蓮見先生を想像して、こっちまであたたかい気持ちになる。


「アクセス数も右肩あがりでターゲット層にも閲覧してもらえてる。SNSでの拡散も相まって、話題になってるんですよ」


< 57 / 77 >

この作品をシェア

pagetop