私と王子様のプロローグ
「素っ気ない、ですか」
「ふたりきりなんだし、もう少し壁を崩してくれてもいいのでは?今からする話も、明るい話題ですし」
確かに、今日話すのは公開された第一弾のウェブCMについてや今後のことだ。
ひとりで意識しすぎていたかもしれない。
「第一弾の作品、反響がすごくて。クライアントも蓮見先生に頼んで良かったって、喜んでました。こちらを蓮見先生にお渡しするようにと」
「わ、これって人気の洋菓子店ですよね!」
「あとこちらの袋は水野さんたちに、とのことです」
「みんな喜びます、ありがたくいただきます」
蓮見先生へのお土産の袋には手書きの手紙も入っていた。
それを読む蓮見先生を想像して、こっちまであたたかい気持ちになる。
「アクセス数も右肩あがりでターゲット層にも閲覧してもらえてる。SNSでの拡散も相まって、話題になってるんですよ」