セーラー服と恋模様。
私はシュン様ファンの女子たちの視線を感じながら、顔を隠す様にして下駄箱に辿りつく。

「りぃちゃん……シュン様と一緒に来たの?」

「あ、う、うん…なんか近所に引っ越してきたみたいで」

「テニス部の子に何か言われちゃうよ~」

「それは怖いね……」

芹香は純粋に私を気にしてくれているんだろうけど、そんなことでシュン様を避けたりするのって、何か違う気もする……。
人気者は大変だなあ。


「あ、百崎君だ。おはよう」

芹香の声で、凛太が来たことに気付いた。

凛太の下駄箱の場所は一番下。
またつむじが見えるぐらい体を屈めて、上履きを履き替えている。

……今日は寝ぐせついてる。

「おはよう」

って、寝ぐせに向かってあいさつした。
< 18 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop