セーラー服と恋模様。
凛太はあくびをしながら下駄箱をばんっと閉めて言った。

「ふぁあ……おはよ。セリカ」

あ。

セリカって久しぶりに……。




と思ったら。

「え……」

って、芹香の顔が真っ赤になっていた。


半分寝ぼけている様子の凛太は、そのまま教室に入っていく。
芹香の白いほっぺが真っ赤になって、潤んだ瞳で凛太の後ろ姿を追ってて…。

「あはは……名前で呼ばれちゃったぁ…」

「え、あ、……」

今の「セリカ」はたぶん私、……とは言えず。
芹香の目はハートだ。

うそ……。

わりと惚れっぽい芹香。恋の話をするのが好きな芹香。
かわいくて、守ってあげたくなる芹香。

そんな芹香が、凛太を――。
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