セーラー服と恋模様。
「もう、蹴らないでよ……きゃあっ」

「ヘッドロックしてやる」

「ぎゃーっ!やめて」

凛太に技を掛けられ、学ランから凛太の匂いがする。
匂ったことのあるそれは、ひどく懐かしい。

腕も背も、私とあんまり変わらなかったはずなのに、いつのまにこんなに逞しくなったんだろう。


ってか、力が強い!

「凛太ぁっ……、もーっ、もう、苦しいっ。やめて…」

腕の中でじたばたもがいてたら、凛太と至近距離で目が合う。


「……おお。悪り」

「悪りじゃないよっ、もう……」

ぱ、と解放されて、やっと息ができた。

周りのギャラリーも笑いながら「大丈夫~?」と声を掛けてくれる。
ちょっと打ち解けたような気もしながら、髪を直した。
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