カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
慈英が暮らしていた部屋に泊まる。

つまりは岬家の家にお世話になる。

そういえば賢が騒いでいた事を思い出す。





『俺も行く。』

『違う日に行け。邪魔するな。』

『別にいいだろ?日本でも一緒に暮らしてる訳だし。』

『旅行だ。気分が盛り上がる。』


リビングで慈英と賢が揉めている。

それを二人に挟まれて聞く私の身にもなって欲しい。


『散々ヤってるだろ。』

『!?!』


賢の言葉にコーヒーが気管に入り咽せる。


賢は何を言ってる?


横目で睨めば、賢と目が合う。


『俺も一緒の方が楽しいだろ?』


私にターゲットを変更してきた。

私の方が落としやすいと踏んだようだ。


『ダメだ。』


慈英が返事する。

賢がソファーに凭れる姿を横目で盗み見る。


『別にいい。』


完璧に不貞腐れた。

慈英も今回は譲る気はゼロだ。

二人の話し合いは終わったようだ。
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