カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
そんな慈英を見れるのは私だけだろう。

それだけ愛されているのが伝わってくる。


「気にならない訳じゃないよ。でも今の慈英しか私は知らないから。」

「うん。」

「私と付き合って浮気した?」

「はあ?する訳ないだろ。」

「私だけだよね?」

「当たり前だ。」


怒った口調の慈英は嘘をついてないだろう。

今の慈英の愛を信じている。


「信じてるから。」

「ああ。」

「私達、家族になるんでしょ?」

「覚悟を決めてくれたか?」


逆に質問で返された。

その言葉に大きく頷いてみせる。


「だから過去の事で嫌いにはならない。今まで見てきた慈英を信じてるから。」

「心菜。」

「友達に会わせてくれる?」

「ああ、夜を楽しみにしてろ。」


いつもの慈英だ。

意地悪な笑みを浮かべる慈英が元に戻っている。

挑発するような笑みに私も答える。


「泣かないでよ、暴露されて。」

「泣くかよ。」


クスリと笑う慈英に、私も同じように笑ってみせた。
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