カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する

「予定通りで。少し資料が間に合うかどうか…………。」

「そのように伝えておきます。」

「それと親睦の件でスケジュール調整を。」

「希望の日を…………。」


今回のプロジェクトを円滑に進める為に副社長の力が必要となってくる。

謂わば副社長はミサキ商事の顔でもある。


「わかりました。では明日の会議は宜しくお願いします。」


部長に一礼して、隣に立って待っていた賢を見上げる。


「心菜、少し休憩。」

「あっ、でも…………武内さんに『一人で帰るな』って。」

「直ぐそこ。俺と席にいなければ見にくるだろ。」

「うーん、わかった。」


賢と一緒に休憩室に向かう。

武内さんと一緒に歩いてた時より視線を感じるのは気のせい？


「注目されてる？俺ら。」

「やっぱり？」

「感じる。ビシビシと。」

「うん。」


そんな会話をしながら休憩室に到着したが、お金なんて持ち歩いてない私は賢に奢ってもらった。


「ありがとう。」

「ああ。」


並んで腰掛けて一息ついていた。