カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
慈英が力なくソファーに腰掛ける姿が目に映る。


「いつまで?」

「…………。」

「いつまで一緒に暮らせない?」


会社では見たことない副社長の姿があった。

弱々しく頭を抱え込む姿に誰もが絶句している。

副社長は俯き、泣きそうな声が部屋に響く。


「いつまで一緒にいられない?」

「…………発信源の特定、それと再発防止が済むまでだ。」

「…………クソ、誰だよ。」


頭を抱え込む弱々しい慈英に胸がはち切れそうだ。

元はと言えば、私が賢に頼ってばかりだからだ。

隣に立つ賢を見上げれば、こっちも唇を噛み締めて悔しさを露わにしている。


「賢も分かったな。」

「はい。でも一つお願いがあります。」

「何だ。」

「俺が見つけます。再発防止も考えます。」

「いいだろう。仕事は仕事でちゃんと出来るか?」

「はい、俺もミサキ商事を引っ張っていく人間です。」

「慈英、賢と一緒に出来るか?」

「勿論だ。クソ!」


慈英の怒りが部屋を支配していく。
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