カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
私は事態を見守る事しか出来ないだろう。


「慈英と賢は真っ直ぐ家に帰ってきなさい。」

「「…………。」」

「心菜さんも用心を。」

「はい、今回は申し訳ありませんでした。」


深々と頭を下げた。

この日から私は広い部屋で一人寂しく過ごす事となった。

料理も自分の分だけ。

慈英と一緒に暮らすまでと同じ筈なのに、全然同じに感じない。

寂しくソファーでテレビを見ていれば、部屋のインターフォンが鳴った。

急いで出てみれば…………


「遊びに来たよ。」

「元気か?泊まってもいい?」


結衣と鈴乃が映っていた。

何で?


「賢に聞いた。ちゃんと副社長の許可もあるから。」

「ありがとう。」


オートロックを解除し、2人を部屋に案内した。

大きな鞄を手にした2人が部屋に入ってきた。


「ひろっ。」

「ちょっと部屋を見せて。」


賑やかな2人に笑みが溢れる。


「賢が『一緒にいてやって』って。副社長にも私達が行くことは伝えてあるらしいから。」

「うん。」

「心菜は元気?」

「…………まあまあ。」

そんな返事しかできない。
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