カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
でも徹夜続きなんて知らない。

身体は大丈夫なのかな?


「ねぇ、心菜。」

「ん?」

「お弁当でも作らない?」

「お弁当?」

「2人に…………って賢にはダメかな?」


鈴乃が意気揚々と提案したが、結衣の反応を確認している。

ちらりと結衣が鈴乃を見た。


「2人に作れば?私が賢に渡すから。」

「だって。心菜、お弁当でも作れば。」

「お弁当…………。」


普段はランチは外食ばかりだ。

お弁当なんて作った記憶はない。

朝、そんな余裕はないから…………でも2人は頑張ってくれている。


「そうだね。」

「そうしよ。」


沈みがちだった心が浮上していく。

大したことではないけど、2人が喜んでくれれば嬉しいのだが。


「賢情報。目星はついたらしい。証拠と対策に時間が掛かるみたい。」

「そっか。」


あの会議から二週間。

週末は慈英が遊びにくるが、平日は会社で副社長と秘書としてしか過ごしていない。

賢に至っては顔も見てない。
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