カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
伺うように岬さんを見つめる。


「岬さんって、おいくつですか?」


ふと芽生た疑問をしていく。


「28。」

「…………友達になれます?」

「なれないの?」


そう聞かれたら…………なれなくもない気もするけど。


「歳が気になる?それとも他に気になる事でもある?」

「…………。」

「別に騙そうとかしてないよ。あっ、待って。」


岬さんが何やらスーツの内ポケットに手を入れて取り出した。

多分名刺だろう。


「本当は会社以外で渡すのは禁止されてるけど、これ。」


差し出されたのは名刺だ。

岬さんの手から受け取った瞬間、岬さんの手が凄く手が冷たい事に気付いた。


「手が…………。」

「あっ、ごめん、冷たかった?夜はまだまだ冷えるね。」


手を引っ込め、ズボンのポケットに手を突っ込む岬さんは苦笑いを見せた。

昼間は暖かくなってきていたが、夜はまだまだ冷える季節だ。

ずっと私の帰りを此処で待っていたのだろう。
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