カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
結局、慈英の運転で夕飯を食べに出掛けた。


「デートみたいだな。」

「うん。」

「俺も心菜も働いてるんだし、もっと手を抜いてもいいから。」

「十分に抜いてるよ。最近、帰りが遅いから慈英には作ってあげてないし。」

「それでいいから。無理だけはするなよ。」


二人で手を繋いで店内へ入っていく。

平日の夜という事もあり、店内は斑らに人がいるだけで空いていた。

窓側の席に向かい合って座り、落ち着いた雰囲気の店内を見渡す。


「どう?クリスマスイベントは順調か?」

「はい。」

「ははっ、心菜、敬語になってる。」

「あー、つい。」


仕事の事を聞かれて、つい敬語で返事をしてしまっていた。


「心菜、クリスマスが終わったら…………見に行かないか?」

「何を?」

「俺たちの式場。ミサキの関係で、式場はブライトンホテルになると思う。嫌か?」


式場?

思わぬ言葉に固まる。


「心菜、春には挙げる予定だし、遅いぐらいなんだけどな。」


慈英の言葉に一気に現実が押し寄せてきた。
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