カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する

6ヶ月

結婚式に向けて動きだした私達。

早速、ウエディング雑誌を読む私の隣で慈英も雑誌を覗き込んでいる。


「これなんてどう?」

「うん、いいかも。」

「これ心菜に似合いそう。」

「そうかな。」


ドレスを試着して見せた時とは大違いに、アレコレとドレスを勧めてくる。

あの日は反応が薄かったのに。


「心菜は若いし、ピンクとか可愛いかも。」

「うーん、子供っぽく見えない?」

「いや可愛いって。あっ、ブルーも好きな色だし、確かに似合ってた。」


あの日は意見もくれなかった人とは思えない。

別人のように意見が出てきている。


「これも似合うな。」

「…………。」

「おっ、これも。」

「慈英、別人みたい。」

「はっ?」


やっと雑誌から私へ視線を上げた慈英と目が合った。


「あの日は反応が一緒だった。」

「あー、それは見惚れたっていうか…………。」


目を逸らす慈英を覗き込み、目と目を合わせる。

それでも逃げていく視線。


「だから見惚れた。どれも可愛くて。」

「…………。」


私も照れる。

ちらっと目が合う。


「実際に、心菜のドレス姿が可愛いくて見惚れてた。」


ヤバい、照れる。
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