カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
週末、予想通り慈英は朝から仕事に出掛けていった。

私は家事をして、テーブルの上に手紙を置いて出掛けた。

帰ってきた慈英は、また次の日には朝から仕事に出掛けていく筈だ。

私がいなくて、ゆっくり過ごせるのかもしれない。

鈴乃の家のインターホンを鳴らせば、部屋から出てくる鈴乃に笑みを浮かべた。


「鈴乃、ごめん。」

「気にしないで。賢達も来るって煩いから。」

「賢達?」

「賢と匠海、悠輝も。」

「あっ、そうなんだ。」


呆気に取られる。

賢達も来てるんだ。

部屋に入れば勢揃いしていた。


「夜は鍋にして、久しぶりに飲まない?」

「うん。」

「心菜、マリッジブルーなんだって?」


鈴乃と話していれば、茶々を入れるのは賢だ。

賢とは何気に結婚式の準備とかで会っている。


「まあ、たまには兄貴じゃなくて俺達とも過ごして気分転換すれば?」

「うん。」


そうだ。

今日は慈英の事で悩んだりするのは辞めよう。

女子3人で鍋を作り、男子は買い出しに出掛けた。

久しぶりに心から笑った。

冷めきってしまっていた心に温もりが届けられるのを感じていた。
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