カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
最高の一日
ノックする音にドアへ視線を向けた。


「わー、綺麗。」

「恵さん。」

「今日はおめでとうございます。」


私の傍らに立つ両親にお辞儀する恵さんを見つめた。


「こちらこそ。いつも娘がお世話になっております。これからも娘を宜しくお願いします。」

「本当に綺麗ですね。」

「馬子にも衣装ですよ。」


母と会話をする恵さんと目が合い、私に近づいてきた。

目の前に立つ恵さんが綺麗な笑みを向けてきた。

私が憧れて止まない女性だ。

慈英が忙しい代わりに、恵さんが色々と一緒に回ってくれた。

副社長秘書としてもサポートをしてくれる心強い味方だ。

恵さんも社長秘書で忙しい筈なのに。


「社長とは家でも話せるし、父は私に甘い所もあるから気にしないで。」


そう言ってくれた。

本当の姉の様に慕ってきた。

そんな恵さんも『妹が出来たみたいで嬉しい』と言ってくれた。


「心菜ちゃん、本当に綺麗。」

「ありがとうございます。」


お辞儀をすれば、ふわりとベールが揺れた。
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