カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
今日は私と慈英の結婚式だ。

慈英とは昨日から会っていない。

私は両親と一緒にブライトンホテルに宿泊し、そのままブライダルコーナーに来ていた。


「兄さん、朝早くに起きたみたいよ。」

「慈英も実家に帰ったんだね。」

「一人だと寂しいのよ。いつもは心菜ちゃんと一緒に過ごしてるけど、一人で心菜ちゃんのいない部屋は寂しいのよ。」

「そうかな?」

「今朝もソワソワして…………早く心菜ちゃんに会いたいみたいよ。」


以前『一人で寝れない』発言はしていた。

まさか本当に私が隣にいないとダメ?

口元が緩んでしまう。


「心菜ちゃん、兄を宜しくね。」

「はい。」

「また後で。」


心を見透かされたようだ。

ニヤニヤとした顔で見られていた。

部屋を出ていく恵さんを目で追い掛ける。


「これからも娘を宜しくお願いします。」

「こちらこそ、末永く宜しくお願いします。」


両親の言葉に応える恵さん。


『末永く』


心が嬉しくなった。
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