カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
久しぶりに会えた二人は端の方で会話をしているようだ。


「あれぐらい発破をかけないと、優大は必死にならないだろ。」

「今も必死で頑張ってるでしょ。」

「もっと必死にならないと…………いつまでも恵が独身のままだ。」

「妹想いだね。」

「当たり前だろ。早く迎えに来いよ、優大。」


言葉の裏には思いやりが溢れていた。

慈英も恵さん達の幸せを願っている。


「恵さんのウエディングドレスは綺麗だろうね。」

「心菜が一番だ。」


即答されて顔を上げた。


「凄く綺麗だ、心菜。」


慈英の言葉に照れてしまう。


「本当は見惚れてた。」

「えっ?」

「バージンロードを歩いてくる心菜に見惚れてた。」

「…………。」

「目が離せなくて動けないでいた。」

「…………。」

「そしたら変な笑みを浮かべる心菜のお陰で我に返れた。」


あの時だ。

ぎこちない笑みを浮かべたのを思い出して恥ずかしくなる。

緊張し過ぎて、変な笑みに見えたらしい。
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