カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
「心菜もミルクティが好きなんだ。」

「気が合うわね、私達。」


にっこりと微笑んだ女性をガン見してしまった。

もしかして恋のライバルなのか?

そんな疑問も湧いてくる。

だって慈英を狙う女性は他にもいるだろうから。


「はじめまして、岬 恵(みさき けい)です。」

「岬?」

「兄さんから聞いたの。」

「兄さん?」


驚きに変な声が吐き出されていた。

あわてて口に手を当てて周りを見渡す。

バイトの子の視線が突き刺さっていた。

軽く頭を下げて謝り、ケイさんに向き直った。


「いつも仕事を抜け出して出掛けていた先で、まさか彼女を見つけるなんてね。」

「はっ、はじめまして。」


緊張で吃ってしまった。


「可愛い子ね。兄さんには勿体ない。穢れてなさそうなんだもの。」

「穢れ…………。」


呆然とケイさんを見た。


「私もミサキ商事で働いてるの。それも兄さんの秘書。」

「秘書…………、カッコいいですね。」


自然と漏れていた。
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