カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
目の前には不機嫌な慈英が座っている。

オーラがいつもと違う。

明らかに不機嫌だ。


「いつ帰るの?」

「来週末に。」

「早く言え。」

「ごめん。」


素直に謝った。

確かに伝えておくべきだった。


「今週末はデートだから。」

「わかった。」


ここは素直に頷いておくべきだろう。


「俺のマンションに泊まって。色々と聞きたいし、同棲する前に見てもらいたいから。」

「えっ?帰ります。」

「何で?」

「いやいや泊まりとか無理だし。」

「無理?俺は1ヶ月半も帰る心菜を寂しく見送るし、親にも挨拶しに行く。分かってる?」

「そうだけど。」

「来て。部屋も見て貰いたいし、近じょも見て貰いたいから。」


ここまで言われると折れるしかないのかな。

黙る私に慈英が突きつける。


「心菜は俺の彼女だよね?」

「うん。」

「一緒にいてくれても良いよね?」

「…………わかりました。」


結局折れた。

懇願されたら折れてしまう。

それに我儘を言ってるのは私かもしれないから。

慈英の雰囲気が少し柔らかくなった。
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